Life is Learning !

時々讃井、時々イカちゃん。学習/教育とテクノロジーの狭間で。

私の人生を変えたイカした教育概念 #01「Knowledge Building(知識構築共同体)」

この記事はLife is Tech ! Advent Calendar 2018 - Adventar 12日目の記事でゲソ。
さて、今回は私イカちゃんがお送りするでゲソ。
技術系の記事が多いAdvent Calendarでゲソが、私は人間を侵略する技術=教育について書いてみるでゲソ\(^o^)/

 

■はじめに

教育や学習について私が研究をしている中で出会ったいくつかの概念は、私の人生を変えるほどの気づきがあったでゲソ。Life is Tech ! のキャンプやスクールにも深く関係することがたくさんあるでゲソ。そんなイカした教育概念をカジュアルに紹介するコーナーでゲソ。

 

■今回の教育概念 「Knowledge Building」

初回から早速マニアック過ぎる概念なんでゲソが、
「Knowledge Building(邦訳:知識構築共同体)」
について今回は紹介するでゲソ。

Knowledge Building カナダの教育学者のカール・べライターとマリーン・スカーダマリアが提唱した概念でゲソ!べライターは元々学校不要論を主張するなど、かなり激しい教育学者でゲソが、セサミストリートの立ち上げに関わったことでも有名でゲソ。

彼の原点にあるのはこれまでの教育への違和感でゲソ。
「教育は子どもたちの学び・可能性を奪っていないか」
という問題意識でゲソね。

べライターは黙って聞くだけの一斉型の授業はもちろん、学習者中心の授業スタイルにも鋭く切り込む人でゲソ。対話型のグループ学習であっても、教える側が計画した内容の中で考えているだけなので、学習者の可能性を抑制しているのではないかと考えたわけでゲソ。学習者は知識を受容したり、問題に回答するだけの存在じゃなくて、もっと自由に知識をつくる側になってなれるんだと考えていたからでゲソ。なかなかの完璧主義者じゃなイカ

そんなベライターがこれまでの教育と一線を画す考え方として提示したのが
「Knowledge Building(知識構築共同体)」でゲソ。
学習者自身がもっと自発的に探究し、新しい知識を作っていくまでに至る学習方法・学習環境・学習共同体を作っていこうとする考えでゲソね。

 

■Life is Tech ! と今回の教育概念の関係

Life is Tech ! で言えば、教科書の範囲を超えて、自分でどんどん探究・開発していって、メンターの想像を超えるようなプロダクトを作るようになった時には、知識構築共同体の段階に至っていると思うのでゲソ。
例えば、中高生が使いたくなる学習管理アプリについて開発すると、そのテーマに関しては大人よりもずっと詳しくなって、世界の誰も知らない知見も持つようになるでゲソよね。それこそが、学習者が知識構築共同体のレベルに至ったということでゲソ。

Life is Tech ! の現場には、知識構築共同体につながる仕掛けが実はたくさんあるでゲソが、その最たる事例はMCやメンターのことをあだ名で呼ぶことでゲソ。
社長の水野のことでさえも「みっちー」と呼ぶことを徹底していてちょっと頭おかしい団体なんじゃなイカ?と考える人もいるかもでゲソが、それは全く違うでゲソ笑

MCやメンターのことを「先生」と呼んだ瞬間に、教える先生と教わる生徒というこれまでの学校にありがちな関係に固定化されてしまうでゲソ。そうではなくて、あだ名で呼んでナナメの関係(知り合いの兄ちゃん・姉ちゃんと話すような関係)を作ることによって、先生・生徒のタテの関係にならないのでゲソ。

それは、教え手のあり方を変えるだけでなく、学び手であるメンバーみんなの意識を変えることにもなっていると思うでゲソ。ただ座ってヒントや答えを教えてもらうのではなくて、自分で考えて自分で質問し、自分で作っていくスタイル。それは、Life is Tech ! という知識構築共同体の中の「文化」でゲソ。この文化があるからこそ、アイデアを言いやすいし、作品にオリジナリティを入れ込みやすい空間が生まれてるのではなイカと、私も讃井の隣にいながらいつも思うでゲソ。

■おわりに

Life is Tech ! に関わる人達は、この知識構築共同体を自分の学校や大学、さらには職場で実現していってほしいと思うでゲソ。そうでないと、変化が激しいITの時代には対抗できないと思っているでゲソ。年齢なんか関係なく、中高生のうちから知識を作る側に回れるそんな時代。イカしてるでゲソ\(^o^)/

 

■今回の参考文献

・SCARDAMALIA Marlene,BEREITER Carl,大島 純(2010) 
知識創造実践のための「知識構築共同体」学習環境(<特集>協調学習とネットワーク・コミュニティ) "Knowledge Building" Learning Environment for Knowledge Creation(<Special Issue>Collaborative Learning and Networked Communities)


東京大学CoREF 平成25年

自治体との連携による協調学習の授業づくりプロジェクト 平成25年度活動報告書
協調が生む学びの多様性 第4集 ー私たちの現在地とこれからー
おわりに:学習研究のこれから−21 世紀の教育へ向けて

http://coref.u-tokyo.ac.jp/newcoref/wp-content/uploads/2014/06/H25houkoku_245-249.pdf